プロセスシミュレーター

プラント全体の物質収支・熱収支、各種機器の能力評価、トラブルシューティングや制御性能検証等、実プラントの業務の中には、なかなか手計算だけでは確認の難しい複雑な計算が多くあります。既に物性データバンクや代表的な単位操作ユニットを標準で搭載しているシミュレーターの活用は、必須と言えます。 以下のページでは、フリー、市販のシミュレーターの活用方法や基本的な考え方についてご紹介します。(ソフトの使い方については、メーカーが提供している有料のトレーニング等がございますので、そちらをご活用ください。)

  • フリーソフトと市販シミュレーター
  • フリーソフトとしてはCOCO、OpenModelica、市販シミュレーターとしてはAVEVA社のソフトであるPRO/II、DYNSIM、PIPEPHASE、SimCentralを主に紹介いたします。特に最近ではシミュレーターとPyhonやMatlab、CFDモデルとの連成にも注目が集まっておりますので、少し特殊な使い方についてもまとめていきたいと思います。

  • シミュレーターを使う際の注意点
  • シミュレーターは基本的に求められる入力を埋めていけば解を得ることができますが、シミュレーターを走らせる前に注意しておいた方が良いことがありますので、使用時の注意点をまとめていきます。

  • 非定常シミュレーションの基本
  • 非定常シミュレーションは定常シミュレーションと比べて入力項目も多く、敬遠され勝ちですが、基本的な考え方さえ理解できれば実際のプラントのオペレーションをイメージすることができ非常に面白い分野です。ここでは非定常シミュレーションを行う上で重要となるポイントをまとめていきます。

  • 縮約モデルの活用
  • シミュレーターは用途に応じて得手、不得手があります。例えば上述の非定常シミュレーターDYNSIMでは数十枚に及ぶフローシートのような大型モデルであってもモデル化することができますが、一方で例えば逆混合の考慮が必要な反応器モデル内の内部流動状態を細かく見るようなシミュレーションは行うことができず、特殊なカスタマイズを行わない限りは、基本的には長手方向の分布のみの1次元のシミュレーションになります。こうした細部の空間方向における流動状態までシミュレーションするにはCFDソフトが用いられますが、プロセスシミュレーター内の一部のモデルのみ精度を上げたいという場合に、次元数を落としたCFDモデルとの連成を行うケースもあります。こちらではFMI規格の縮約モデル(Reduced Order Model)について簡単にまとめていきます。

  • シミュレーターの便利ツール
  • 個人的に作成しているシミュレーター用のツールを無料で公開しています。(※オフィシャルツールではございませんので、自己責任でのご使用をお願いします)DYNSIMのユニット入力情報を一括収集するツール(DYNSIMではBulk Configuratorというツールもありますが、個人的には起動が重く好きではないので)、SimCentralの時系列データをcsv形式で生成するツール等を置いています。

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